仕事が辛いと感じる介護士へ

「介護の仕事は苦労が多くて辛い」と感じて転職する人が後を絶ちませんが、それは、働く職場の選び方を間違えてしまったからかもしれません。一口に介護施設といっても、利用者の介護度や、介護施設で提供されるサービスは異なります。そのため、それぞれの介護施設によって、仕事内容や職場環境、労働条件も変わってきます。ですから、介護の仕事で辛さを感じた場合は、ほかの職種に移る前に、自分に合った働きやすそうな職場を介護業界の中から探してみてはいかがでしょう。

たとえば、全国各地にある老人ホームと呼ばれる施設の1つに、特別養護老人ホームがあります。通称「特養老」と呼ばれるこの施設は、基本的に要介護度3以上の介護度が高い人の利用が多いという特徴があります。したがって、身体介助の仕事が多く、体力を要しますが、その分自然と介護技術の向上が見込めるというメリットもあります。しかも、特養で働いて得た知識は、家族を介護する時や資格を取得してスキルアップを目指したい時に、大きく役に立つことでしょう。

一方、グループホームのような施設は、比較的要介護度が低くい認知症の方の利用が多いので、食事や入浴介助のような体力を必要とする仕事は少なめです。ただし、入所者が夜間に徘徊したりしないように見守り業務を行わなければなりません。また、認知症の進行を遅らせるために、レクリエーションを企画したり、運営したりもしなければならないので、バイタリティーが求められます。

それから、介護施設の中には、自宅で過ごす高齢者を対象とした通所型のデイサービス施設もあります。デイサービスでは、機能回復のためにリハビリやレクリエーションなどを積極的に行っており、介護職はそのサポートをします。デイサービスは多くの場合、日勤帯のみの仕事になるので、夜勤がない分給料は減りますが、規則正しい生活が送れると点は大きな魅力と言えるでしょう。